刑事山さん臨界派 ある日のメルトダウン

 〜第1話 恋の味はピリカラ豚骨〜

山さん「ガイガーカウンター!」
ヤス「なんスか山さん、いきなり」
山さん「今回は我々が攻略を担当することになった」
ヤス「へ? 何で?」
山さん「攻略内容の薄さをノリでごまかすためだろう」
ヤス「ぶっちゃけですね。じゃあまず何の攻略をするか決めないと」
山さん「フッ、案ずるな、もうネタは考えてある。とっておきのをな」
ヤス「ホホォ〜、ゲームにはちょいとうるさい山さんが選んだとなると、こいつぁ期待大っスね」
山さん「フフフ・・・お題はこれだっっ!!」

ヤス「ギャース」
山さん「どうした、藤子チックな奇声を発しおって」
ヤス「こっ・・・これは、日本奇ゲー百選って企画でもした日にゃあ確実にノミネートされるであろう、奇抜な演出と刺激的過ぎてあまりにもヤバい設定が大戦のきっかけになるのではないかと世界中の人々(の内の一握り)を震撼させた国際的超問題作『チェルノブ』サブタイトルは『戦う人間発電所』ッッッ!!」
山さん「美味しんぼかお前は。そう、1988年デコが放った話題作、アトミックランナー・チェルノブだッ!」
ヤス「期待したボクがバカでした。じゃ山さんお疲れ〜」
バキッ
ヤス「ウゴッ!」
山さん「どこ行く気だコラ」
ヤス「こんなの攻略してるとこ普通ないっスよ?」
山さん「だからウチでやるんだろうが」
ヤス「うう・・・でもこういう奇ゲーって大抵バランス破綻しててまともな攻略できないんじゃ・・・」
山さん「チッ、これだから食わず嫌いの知ったか野郎はイヤなんだよ。いいか、よく聞けヤスオ」
ヤス「ヤスです」
山さん「この『チェルノブ』は、そのアクの強い造形・演出と発売された時代背景が凄まじすぎるために奇ゲーの極北とされるが、冷静にゲーム内容を見てみるとこれが意外に丁寧に作られていてバランスの良い優良ゲームだったりするのだ」
ヤス「難しくないんスか?」
山さん「難しすぎず易しすぎず。アーケードゲームとしてはなかなか良心的な難易度だぞ。ケツの青いお子ちゃまから干からびかけてる爺様まで誰もが楽しめる、文部省お勧め、ママも安心、夜安心、暮らし安心クラシアンだ」
ヤス「呆れるほどクドい上に心に響かない誇張表現ですね」
山さん「黙れガキが。いいからサッサと始めるぞ。まずは衝撃のストーリー紹介だっ!」

ドカァァァン!!
 
ギャギャ〜ン!!
 
バシィィィン!!
ズドドドド〜ンッ!!

山さん「・・・サイコー。サイコーだぜっ・・・!! 畜生、涙がっっ・・・止まれ、止まれよこの野郎っ・・・」
ヤス「水さすようですけど、何がなんだか訳わからんのですが」
山さん「ウム、俺もよくわからん」
ヤス「・・・じゃなんスかさっきの涙は」
山さん「いや一応リアクションしといた方がいいかな、と。まあアクションゲームにとっちゃあストーリーなんてどうでもいいモンだ。気にすんなグハハ」
ヤス「じゃ紹介すんなよ」

 <仕様>

山さん「まずはゲームの仕様を見ていくことにしよう」
ヤス「超絶長え前振りでしたな」
山さん「このゲームは横視点のジャンプアクションだ。但し任意スクロールではなく、画面は常に右へ強制スクロールし、また主人公チェルノブもレバーニュートラルの状態では常に画面右へ、画面のスクロールと同じ速度で走り続ける。グラディウスみたいな横スクロールのシューティングゲームに近いシステムだと思ってくれればまずはOKだ」
ヤス「(意外とまともだな山さん・・・)」
山さん「で、ずーっと走っていって面の最後にいるボスキャラを倒せば一面クリアってわけだ。全部で7面あり、7面をクリアすればオールクリア。1周エンドで2周目は無い」
ヤス「(ケンちゃんと)フムフム」
山さん「ティーンズ置いてけぼりなボケを妄想してんじゃねえ。えーと、敵や敵が出す攻撃に当たると1ミスとなって、特定ポイントから再スタートとなる。いわゆる復活ってやつだな」
ヤス「超人のクセに一発昇天ですか」
山さん「呆れるほど地味な死に様と効果音が、哀愁を通り越してミョーな憤りを誘ってくれちゃうぞ。操作系は8方向レバー+3ボタン。ボタンはショットジャンプ振り向きとなっている。ショットとジャンプは説明しなくても解るな。振り向きは文字通り、押す度にチェルノブが左右に振り向く。このゲームではレバーで振り向くことはできないので、後方の敵を撃つときなど振り向きたい時はこのボタンを押して振り向かなければならぬのじゃ」
ヤス「山さん、最後口調がヘンでした」
山さん「気にすんな。まあ基本はこんなもんだ」

 <操作をモノにしろ>

山さん「このゲームを攻略する上で最も重要なのは、その独特の操作感覚に慣れることだ。操作をモノにしてしまえば攻略は9割方成ったも同然と言っても言い過ぎではない。つーわけでここからはこのゲームの仕様を深く解析していくぞ」
ヤス「へいへい(生返事)」

山さん「まずは歩きによる左右への移動についてだ。このゲームでは画面が常に強制スクロールすることチェルノブ自身はレバーがニュートラルのとき画面の速度と同じ速度で進み続けること、これらは既に述べたな」
ヤス「はい(実は生返事)」
山さん「ということは、画面が動き続けるといっても、レバーを離した状態ではチェルノブの画面内における相対位置は変化しないというわけだ。文章にするとややこしいが、要するに横スクロールのシューティングと同じことだと思ってほしい」
ヤス「それはそれは大変だ〜」
ガンッ
ヤス「グヘッ!」
山さん「てめえ、ちーとも聞いちゃいねえだろ」
ヤス「え、いやあ、あまりに当たり前の内容なんでつい・・・。でももう解ったからいいっスよ。横シューと同じなんでしょ? それでOKじゃないっスか」
山さん「阿呆、まだ説明は終わっとらんわい。ここからが横シューとは違うところだ」
ヤス「ホッホ〜そいつは聞かにゃならんっスねー楽しみ楽しみルルルリラ〜」
ゴスッ!! パタリ・・・
山さん「死んだか。で横シューと違うところだが、一つはあくまでジャンプアクションなんで、キャラの動きは重力に支配されるということ、これはまあ説明するまでもないだろう。もう一つは、画面のスクロールが主人公の動きに対して、進行方向=画面右へのベクトルを加えるという点だ。例えば横シューでは、画面のスクロールは自機の動きにベクトルを加えることはないので、レバーを入れることで何の抵抗もなく画面内における位置を変えることができる。しかしこの『チェルノブ』では常時画面右方向へのベクトルが主人公にかかり続けるため、レバーを右に入れたときと左に入れたときでは移動速度が違ってしまうことになるわけだ」
ヤス「・・・・・」
山さん「もっと詳しく、ゲーム内の実際の現象に照らし合わせて説明しよう。まず画面のスクロールがチェルノブに与える右方向のベクトル、これの大きさを仮に1としよう。そしてレバーを左右に入れることでチェルノブに加えられるベクトル、これの大きさも1である。ということは、レバーを右に入れたときはチェルノブは画面右へ2の力で移動し、逆にレバーを左に入れたときはベクトルが0となって停止状態になるということが解ると思う。ただしこれは、画面のスクロールを無視した、純粋にマップ上における位置について考えた場合のことだ」
ヤス「〜〜〜〜〜」
山さん「画面内における相対位置について考えた場合は、画面は常にスクロールを続けるので、レバー右で画面右へレバー左で画面左へと動くことになる。ややこしいだろうが、理論的に説明するとこういうことだ」
ヤス「@@@@@」
山さん「複雑そうに思えるかもしれないが、実際にはそう難しいことではない。一度プレイしてみればこれらの理屈はすぐ感覚的に理解できるはずだ。まさに百聞は一見に如かず。まあもっと単純に、レバー右で加速レバー左で停止と考えてしまっても問題ない」
ヤス「√√√√√」
山さん「ここで憶えておかなければならないことは、つまりチェルノブはマップ上においては歩いて後退することができないということだ。例えば下の写真のようなとき、後ろに下がってアイテムを取るという真似ができないわけだ。大した超人さんだぜアンタぁ」

山さん「ということは、取りたいアイテムはチェルノブより右側に出さなきゃならんっつーわけだな。これはこのゲームの基本なんで、絶対押さえておくこと!」
ヤス「『歩いて後退することができない』ってことは、歩き以外ではできるってことっスか?」
山さん「てめえ何事も無かったかのように・・・。それはこれから説明すんだよ」

山さん「つーわけで、お次はジャンプについての説明だ」
ヤス「ワ〜(パチパチパチ)」
ゴスゴスッ!! キュー・・・
山さん「何となくムカつく。・・・さてと、このゲームのジャンプは2種類ある。垂直ジャンプ回転ジャンプだ。レバーニュートラルの状態でボタンを押すと垂直ジャンプに、レバーを左右どちらかに入れながらジャンプすると回転ジャンプになる。垂直ジャンプはチェルノブが直立の姿勢のまま、回転ジャンプはチェルノブが空中で回転しながらジャンプする」

垂直ジャンプ   回転ジャンプ
 

山さん「それぞれの特徴だが、垂直ジャンプはチェルノブの姿勢が安定しているため、ショットの狙いが付けやすいのが利点だ。パワーアップ前でショットの射程が短い時など、斜め前方の標的をジャンプして撃たなければならないときには重宝する。一方回転ジャンプは正確な狙いがつけにくいものの、普通は撃てない下方向や後方へ向けてショットを撃つことができる。ちなみにショットはチェルノブの頭が向いている方へ発射される。まあ参考までに」
ヤス「これらのジャンプの使い分けが重要となるわけですな」
山さん「(不死身かこの化け物め・・・)そういうことだ。特に垂直ジャンプは意識していないとできないので、出し方を憶えておくことだ。ちなみにこのゲーム、ジャンプ後空中での方向制御がかなり利く。まあ実際には、スクロールによるベクトルの影響があるんでそれほど自由ではないが・・・。でも垂直ジャンプしながら穴を跳び越したりすることは悠々とできるぞ」
ヤス「要はレバーを、ボタンを押す前に入れるか、押した後に入れるか、の違いってことっスね」
山さん「その通り。実際には回転ジャンプの方が距離の伸びがいいようだがな。ああ、それとジャンプの高さの制御は利かないぞ。ボタンを短く押そうが長く押そうがジャンプの高さは常に一定だ。実はこれが意外にやっかいだったりするんだが・・・まあそれについては追々」
ヤス「フムフム。これで終わりですか?」
山さん「いや、あと一つ。ジャンプ中にかかるベクトルについてだ。ジャンプ中と地面を走っているときとでは、レバーを入れることでかかる左右方向へのベクトルの大きさが違うのだ。走っているときのレバー左右でかかるベクトルは画面のスクロールによってかかるベクトルと同じ大きさ=1だったが、ジャンプ中はこれよりも微妙に大きくなる。大体1.2〜1.3ってとこかな」
ヤス「(画面スクロール<ジャンプ移動)・・・ってことは」
山さん「そう。歩きでは無理だが、ジャンプ移動でなら僅かだが後退することができるってことだ。本当に僅かだがな」
ヤス「な〜るほどぉ! こいつは重要っスねっ!」
山さん「いや、あんま大事じゃない。『こんなこともできるよ』程度だ」
ヤス「え・・・そうなんスか?」
山さん「ウム。あくまで大事なのは、取りたいアイテムはチェルノブより右側に出すという原則を守ることだ。ジャンプによる後退は忘れてしまってかまわん」
ヤス「ウス」

山さん「では次にショットについて。これは単純だ。レバーニュートラルやレバー左右、それとしゃがみ状態ではショットを真横に、レバーを上や斜め上に入れながらだとショットを斜め上45度に撃つ。垂直ジャンプ中も同じだ。以上」
ヤス「原則として2方向にしか撃てないわけですね」
山さん「そうだ。ただし先述の回転ジャンプを使えば他の方向にも撃つことができるぞ」

山さん「最後は、踏みつけについてだ」
ヤス「踏みつけ?」
山さん「このゲームではショット以外に、敵を真上から踏みつけることでも攻撃ができる。スーパーマリオみたいなもんだな」
ヤス「アルゴスの戦士や忍者くんじゃダメ?」
山さん「感覚的には同じだが、まあその2つは気絶させるだけだからな。チェルノブの踏みつけはマリオみたいにダメージを与えるタイプだぞ」
ヤス「春麗の(私の足をおなめ)かかと落とし」
山さん「おお近い近い。妄想たっぷりなのがアレだが」
ヤス「10回払いで」
山さん「貸しつけだろそれは」
ヤス「田楽刺しでござる」
山さん「磔(はりつけ)だよ」
ヤス「きゅうりのが好きっスね」
山さん「そりゃぬか漬けだ」
ヤス「・・・フゥ〜こんなもんでいいスかねっ?」
山さん「逝ってよし」
ゴキン!! プラ〜ン・・・
山さん「踏みつけの注意点だが、チェルノブの足が地面から離れていることが条件だ。例えば地面の下から来た敵の真上にいたとしても、そのままでは踏むことはできないというわけだな。なお、踏みつけ後チェルノブが軽く跳ねるんだが、このときは必ず垂直ジャンプと同じ状態になる

山さん「後半面では、この踏みつけを使わないと進めない場面もあったりする。プレイの中で跳ねる距離なんかをつかんでおくことが大切だ。まあ要は慣れってことだな」

 

山さん「仕様及び操作に関するシステムについては以上だ。何か質問は?」
ヤス「ハ〜イ、好きな女性のタイプは?」
山さん「中学生かよ」
ヤス「ジョークっすよ、ジョーク」
山さん「渡辺真理」
ヤス「(答えてるし・・・)へ、へぇ〜、どんなとこが?」
山さん「ツッコミ大好きなところと、噛みまくってもケロリとしててやたら潔いところがだ。女性ながら見事な漢気」
ヤス「・・・ヤバいかもしんないから、とりあえずノーコメント」
山さん「次回はアイテムと敵キャラについて解説するぞ。軽〜くな。次回も次回もチェケラッチョ!」
ヤス「何だこりゃ」

<次回予告>
── 炎上する宇宙船。既に船内の半分までが火の手に包まれていた。この三年の間、求めて止まなかった異星人についに出会ったことに感激している余裕も無く、クルーたちは脱出カプセルへと急ぐ。助手であり恋人でもあるジェニファーと共に急ぐ丹左衛門。しかし、仲間の一人がケガのため助けを求めていることに気付く。
「ジェニファー! 先に行け、俺も後から行く!」
「じゃ遠慮なく」
「あっさりうす塩味・・・」
次回「コンソメ味だねスウィートハニー」。次回も丹左衛門と共に地獄に付き合ってもらう。
(番組内容は予告無く変更されることがあります)

 

ちょっと一息・・・登場人物紹介だよ♪

山さん
── 本名:山村 権五郎(やまむら・ごんごろう)。この道31年のベテラン刑事。ビデオゲームにはミョーにうるさく、語り出すときりがないが、お腹がすくと自然と止まるのでとりあえず安心。今回、渡辺真理がお気に入りであることが発覚した。好きなものは、ナメタケと、カップメンを食い終わりかけのときに底の方に残っている残りカスみたいなやつ。

ヤス
── 本名:土筆 真保(つくし・しんぼ)。気だけは大きい新米刑事。絶対野草系のあだ名を付けられると恐れていたが、山さんの鶴の一声で「ヤス」に落ち着き、根拠の無いあだ名に戸惑いつつも内心ホッとしている。蝶の刺青はもちろん無い。好きなものは、オレオの間に挟まっているクリームと「ごはんですよ」。

 

いや〜、次回が楽しみで仕方がないゼ俺ぁ・・・


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