「最後の忍道」の高難度は、ほぼ全て敵キャラクターに起因しているといってもいい。このゲームには地形上のトラップ(転落死する穴など)がほとんど無く、大半の死因が対敵キャラの状況の中で発生するためである。本作の敵キャラは、その配置・出現タイミングが基本的に全て「ランダム」となっているため、「憶えてしまえば楽勝」というわけにはいかなくなっている。ほぼ全ての局面において、プレイ毎に臨機応変な対処をしなければならないのである。

そんな中で唯一ランダム性が薄い要素が、敵キャラの行動パターンである。出現パターンがランダムでも、出てきた敵は一定の行動法則に基づいて攻撃してくる。その法則さえ予め解っていれば、勝手気ままに出てくる敵キャラたちの行動をこちらの予測の範囲内に留めることができ、対処も容易になるはずである。そこで、ここでは「最後の忍道」に登場する全敵キャラの行動パターンを解析していく。

なお、ここに書いてある内容はいずれも筆者の経験に依るものであるため、間違いもあるかもしれないがその辺りはご容赦頂きたい。ちなみに敵キャラの呼び名も、正式名称が解らないため、筆者個人のものに依る。

 

このゲームでは、敵本体には攻撃判定が無いため、敵に触れただけで死ぬことはない。攻撃判定を持っているのは敵の得物だけである。
但し忍犬と火炎球だけは例外で、こいつらは得物が無い代わりに本体自身が攻撃判定を持っているため、触れるだけで死んでしまう。

 

<表記説明>
得物・・・その敵キャラの使用武器。
耐久力・・・敵の耐久力の高さを、大まかに「無→軟→硬→極硬」の4段階に分けた。”無”は刀で一撃で倒せるもの。
出現場所・・・その敵が出現する場所。エリアの区分けについては各面攻略を参照のこと。
出現限界・・・同一画面内にその敵と同じ種類の敵が同時に何体まで出現できるかの限界数。

 

  得物:  耐久力:  出現場所:1面、2面、3面、4面-二の回廊、5面、7面後半  出現限界:3体(例外あり)

あらゆる場面に登場する、雑魚の筆頭。だがだからと言って油断できる相手ではない。
歩いて接近して斬りかかる者と、ジャンプで跳びこみながら斬りかかる者の2タイプがおり、前者と後者は別種のキャラとして扱われる(つまり、黒下忍は最高で計6体まで同一画面内に出現する可能性がある)。
天井がある場面では、こちらとの距離が大体1〜2キャラ分くらいに詰まった時点でこちらが反対側にいた場合、こちらを追いかけて移動する(こちらが天井にいたら天井に、逆なら地面に)。7面のものは特殊(7面後半の攻略を参照のこと)。

 

  得物:刀  耐久力:  出現場所:全面

倒すと宝玉を出す、言うなればアイテムキャリア。
一応攻撃はしてくる(立ち斬りタイプの黒下忍と同じ)。歩くタイプと特定場所にジッとしているタイプがおり、動かないタイプは攻撃を一切してこない。出現個所は完全に決まっており、ランダム性は無い(但し歩くタイプは、画面の左右どちらから登場するかはランダム)。

 

  得物:手裏剣  耐久度:  出現場所:1面前半、6面前半  出現限界:3体

手裏剣を放つ。特定場所でジッとしながら放つタイプと、画面下から垂直に飛び出して放つタイプがいる。
固定して動かないタイプはこちらを狙って単発で手裏剣を投げ、画面下から飛び出してくるタイプは放射状に手裏剣をバラまく。放射状にバラまかれる手裏剣の密度は割と高く、しかも複数で登場するので移動でかわすのは困難。こいつが出る場面では刀か鎖鎌は手放せない。

 

  得物:爆弾  耐久力:  出現場所:2面、4面-三の回廊、5面  出現限界:3体

一定間隔でこちらに向かって爆弾を投げつけてくる。本体は動くことは無い。
投げる直前までこちらを狙っているため、投げる方向はかなり正確。但し投射速度は遅い。爆弾は床や天井にぶつかるか、刀・鎖鎌で破壊すると、炸裂してしばらく爆風を残す。この爆風にも攻撃判定があり、振れると死んでしまう。破壊後に突っ込んでしまわないように注意。

 

  得物:  耐久力:  出現場所:1面前半、4面-一・二の回廊  出現限界:1体

床下を歩き回り、こちらを射程内に捉えると停止、槍で突き刺してくる。槍を突き出す方向は斜めに限られており、真上へ突き出すことはできない。
こちらが足を止めない限りそうそうやられることはないが、必ず他の敵と絡んで登場するため、他の敵に気を取られているときに足元から刺されやすい。事故を避けるためにも、見つけたら即座に倒しておきたいところ。なお、幸いなことに同時に一体までしか出現できない。

 

  得物:無  耐久力:  出現場所:2面前半、3面後半、6面前半  出現限界:3体

高速でこちらへ体当たりをしてくる。速度はかなり速い。なお、この敵には触れただけでやられてしまうので注意。
必ず上空から出現し、出現時点でのこちらの座標へ目掛けて突進してくる。地面に当たると再度こちらの座標を確認、そちらへ突っ込んでくる。但し2回目の突進は必ず上空に向かって行われ、例えばこちらが真横にいた場合、真横ではなく最も浅い角度で上空へ向かって跳ぶ。

動きが速く、触れただけでやられてしまうのが厄介だが、刀・鎖鎌を振り回している限りそうやられることはない。しかし、必ず他の敵と絡んで登場するため、他の敵の攻撃を避けている時に不意に突っ込まれてしまう、ということが多い。上空から出現するため、特にジャンプをしたときにこのやられ方をしてしまいやすい。大ジャンプ時は要注意。

 

  得物:無  耐久力:  出現場所:2面後半  出現限界:3体

ゆっくりとこちらへ向かってくる。速度はかなり遅い。なお忍犬と同様、この敵にも触れただけでやられてしまうことに注意。
必ず上空から出現し、破壊されるまでフラフラとこちらを追い続ける。かなり硬いので壊すのに時間がかかるが、動きが遅く、そうそう追いつかれるものではないので、躍起になって壊す必要はない。適当に泳がせておけば、先に進んでいる間に自然と壊せる。
2面後半のみの出現ということもあり、あまり脅威に感じることは無いだろう。

 

  得物:種子島(鉄砲)  耐久力:  出現場所:3面前半・ボス戦  出現限界:3体

遠隔から種子島(鉄砲)で攻撃してくる。移動は歩きのみでジャンプはしない。
大体、こちらの鎖鎌が届くかどうか、というくらいの距離になると発砲を始める。一度発砲すると再度間合いを測り直してから、再び発砲。2発撃つと攻撃を終了し、画面外へ去ろうとする(但し、3発撃ってくることもある)。なお、こちらが地面にいる場合はしゃがみ状態で地面スレスレに発砲してくる。このとき鎖鎌はしゃがみで伸ばさないと弾を落とせないことがあるので注意。
撃つ直前までこちらの座標を追いつづけており、狙いはかなり正確。弾速も速いので移動でかわすのは難しい。よって刀・鎖鎌は手放せない。

 

  得物:鎖鎌  耐久力:  出現場所:4面-一の回廊  出現限界:3体

忽然と現れ、鎖鎌を真横に伸ばして攻撃してくる。常にジッとしていて動くことは無い。
出現場所は完全に決まっているが、出現するタイミングは全くのランダムとなっている。こちらとY座標が合い、且つ鎖鎌の射程距離内に入ると鎖を伸ばしてくる。この鎖鎌はこちらが持っているものと同じく、飛び道具を弾いてしまう。なお鎖鎌には行きは勿論、戻りにも攻撃判定があることに注意。
単体ではさほど恐ろしい相手ではないが、同時に最高三体まで現れる上、出現タイミングがランダム、しかも侍・槍忍者・灰下忍と絡んで出てくるため、実際にはかなり邪魔な存在となる。思いのほか耐久度が高いので、回避寄りの対処を心掛けなければならない。

 

  得物:  耐久力:  出現場所:4面-一、二の回廊  出現限界:3体

天井裏を走り回り、こちらとX座標が合うと、天井から刀を突き出してくる。但し、攻撃してくるのはこちらが天井に張り付いている時のみ。
こいつも他の敵キャラとの複合攻撃において初めて脅威となるタイプ。床下から攻撃する槍忍者と対となるキャラだが、出現限界が1体のみの槍忍者に比べてこちらは最高3体、出現頻度が高い、攻撃反応も鋭敏と、こちらの方が色々と厄介な存在である。かと言って、特にこれといった特別な対処法というものもなく、臨機応変に倒すなり避けるなりするしかない。

 

  得物:手裏剣  耐久力:  出現場所:6面後半  出現限界:3体

天足の法を用い、空中を移動しながら手裏剣を投げつけてくる。
手裏剣は一度に3本、真中の一本がこちらを狙う形で放射状に投げられる。一人の投げる密度は大したことはないが、同時に三体まで出現して全員が違う方向から投げつけてくるため、やはり移動でかわすのは難しい。結局刀・鎖鎌は手放せない。
単体では全く怖くない敵だが、6面の激戦エリア、雲水・侍・落武者のコンビネーションに混ざって現れるため、多少ながら鬱陶しい存在ではある。鎖鎌の連打でほぼ無力化するので、上手に無視すること(詳しくは6面攻略を参照のこと)。

 

  得物:錫杖  耐久力:  出現場所:1面後半、3面後半、6面  出現限界:2体

なかなかの難敵。出現場所が3箇所あるが、それぞれ行動パターンが異なる。

1面:
前方で錫杖を振り回しながら走ってくる。こちらとX座標が合うか、攻撃を受けると頭上に錫杖を掲げて垂直に跳び上がる。タケコプター。

3面:
最初は1面と同じく、前方で錫杖を振り回しながら走ってくる。こちらとの距離が3〜4キャラ分ほどになったときにこちらが雲水よりもY座標が上だった場合(ジャンプはもちろん、僅かな段差に乗っているだけでも)、こちらがいる座標を目掛けて錫杖を放り投げる。投げられた錫杖はブーメランのように往復し、常に攻撃判定を持っている。錫杖が手に戻るまではその場にジッとしており、戻ると行動パターンの振り出しに戻る。

6面:
基本的に3面のものと同じだが、段差の手前へ来ると、錫杖を振り回した状態のまま斜め前方へジャンプする(この行動パターンを以下「地形ジャンプ」と呼称する)。但し段差の手前へ来た時、そこが錫杖を投げる間合いだった場合は、錫杖投げの方を優先する。ジャンプ高度・飛距離・角度は常に一定。なお、段差から「下りる」場合はジャンプしない。

雲水は侍と並んでこのゲーム中最も厄介な敵の一つである。但し、侍に比べると攻撃内容が甘く穴も多いため、比較的きちんとした対処が可能である。

 

  得物:刀  耐久力:  出現場所:4面-一・二の回廊、6面、7面前半  出現限界:2体

強敵。接近して居合い斬りをかけてくる。橘玄蕃。
かなり身軽で移動が素早い。攻撃範囲も広く、抜刀すると、下段から己の前方〜頭上へと広くカバーするように刀を振る。刀の長さはほぼ侍の背丈分。耐久度も高くてかなりタフ。

そして行動パターンも複雑且つ厄介なものとなっている。

共通基本行動:
走ってこちらへ接近、こちらとの距離が刀が届く距離(大体1〜2キャラ分)まで詰まると抜刀して斬りつけてくる(以下、これを「抜刀距離」と呼称する)。
走っている最中、段差に引っかかる場合は、その手前で斜め前方へジャンプする(地形ジャンプ)。跳躍の高さ・飛距離・角度は常に一定で、地形ジャンプ中は攻撃してこない。

4面、7面:
走っている間、抜刀距離に入るまでこちらの状態を観察しており、そこに到るまでにこちらが天井にいることを確認すると、垂直ジャンプで(重要)天井へ張りつく。また同じように、天井を走っている間、抜刀距離に到る前にこちらが天井から離れたことを確認すると、真下へ降りる。ちなみに、張りつきジャンプ中は攻撃してこない。

6面前半:
地形ジャンプ以外でジャンプすることはない。ひたすら基本行動のみを繰り返す。このエリアの侍はこちらのX座標だけを見て行動するため、Y座標が完全にずれていても、X座標が抜刀距離内であれば刀を振る。

6面後半:
4面・7面の場合と同じく、走っている間、抜刀距離に入るまでこちらの行動を観察し、そこに到るまでにこちらとY座標がずれると即座に斜め前方へジャンプ(高度・飛距離・角度は常に一定)、滞空中にこちらを刀が届く距離にとらえると斬りつけてくる。この「空中斬り」の反応はかなり正確且つ鋭敏で、ジャンプ中のどのポイントでも、攻撃範囲内にこちらが入りさえすれば即座に斬りつけてくるし、こちらと空中ですれ違ったような場合でも、空中で振り向きながら正確にこちらへ向かって斬りつけてくる。なお、雲水の錫杖投げと違ってこちらが空中にいる状態でY座標がずれた場合のみ行動を起こす(地形に乗っていることによるズレには反応しない)。空中斬りのジャンプと地形ジャンプの見分け方だが、空中斬りジャンプのときには侍がジャンプ直前に一瞬足を踏ん張るような前動作を見せる。一方、地形ジャンプのときには何のモーションもなくジャンプする。

 

  得物:刀  耐久力:極硬  出現場所:3面前半、6面後半・ボス戦  出現限界:1体(例外あり)

忽然と現れ、その長大な野太刀で斬りつけてくる。
出現タイミングは完全なランダム。行動パターンは単純で、ひたすらこちらに向かってゆっくりと歩き、こちらを射程距離に捉えると下方から上方へかけて大きく太刀を振る。完全にX座標のみを見て距離を測っており、こちらが上空にいて太刀が当たらない状態でも、X座標さえ合っていれば刀を振る。一度振ると一定時間歩いてから再び太刀を振る。連続して振ることは無い。

他の敵と絡むことで初めて脅威となる敵。攻撃範囲が広く、また非常にタフであるため、大ジャンプで飛び越えて避けて進むことが多いのだが、このゲームのジャンプの特性上、ジャンプ中は咄嗟の回避ができない危険な状態にある。落武者を飛び越えたところに同時に雲水や侍に攻撃をかけられると、間が悪いと避けようがなくなってしまう。それらの対処も同時に考えながら捌いていかなければならないところに、この敵の厄介さがあると言えよう。

 

  得物:錫杖  耐久力:特殊  出現場所:7面前半

最終面に登場。他の敵と違い、一人だけしか登場しない。無風道人。
攻撃は前方で錫杖を振りまわしながら突進するのみ。しかし非常に動きが素早く、激しく動き回るため決して侮れない。

耐久度が「特殊」となっているのは、こいつの耐久度はボス並みの高さがあるからである(下手をすると双斧鬼などよりも硬い)。

こちらとの距離が2,3キャラ分くらいになるまでこちらを観察、そこまでにY座標がずれるとこちらの座標目掛けて高速で跳び上がり、反対側の床か天井に張りつき、再び行動を繰り返す。Y座標がずれていなかった場合、画面端までそのまま走り続け(背を向けている間は、こちらの行動を観察していない)、その後振り返ると再びこちらの動きの観察を開始する。
割とパターンにはまりやすい敵ではあるが、交戦中に侍が同時に出現してくるため、その関係でパターンを崩される危険がある。これらを含めた対処が必要となる。

 

 

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